黒澤 礼子 著
(講談社)
A4判/64ページ/2019.9.5発行
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■内容■
【対象】幼児期 4歳〜就学前まで
【先生・保護者がすぐに使える記入式シートつき】
【発達障害の傾向と対応策がわかる!】
発達障害は、友達の気持ちを理解できない、ルールを守れないなど、社会性を含む心の機能の障害です。保育園・幼稚園や学校という集団社会の中にいるからこそ、問題点が明確になります。集団の中で起こる問題ですから、集団の中で解決しなければ、発達障害を改善することはできません。皆の中で育てることこそが、最善の治療法なのです。
幼児期には、基本的な生活習慣が身につき思考力が発達します。社会的にも心理的にも集団生活の準備が整う時期です。その段階で、発達に障害があることに気づかず小学校に通うようになると、授業についていけない、友達とトラブルを起こすなど、さまざまな問題に直面します。ですから、就学前の適切な対応が必要なのです。
発達障害への対応は、早ければ早いほど良いといわれます。それには気づきが大切です。
本書の特徴は、子どもの日常の行動を見るための「基礎調査票」と、その結果をグラフ化する「評価シート」です。結果をグラフ化することで、容易に支援計画をつくることができます。注意していただきたいのは、結果を見て発達障害だと即断しないこと。まわりの意識と働きかけで、子どもは大きく成長します。伸びる力を信じて、支えていってください。
なお本書は、2008年に発行した『幼児期の発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』をDSM−5(精神疾患の診断・統計マニュアル)にあわせて見直した新版です。園の先生だけでなく、保護者、子どもにかかわるすべての大人に利用していただける一冊です。
【実例の一部紹介】
●Dくんの場合〜衝動性と多動性がある
園では友達にちょっかいを出すことが多く、皆でなにかをするときも、ひとりだけずっとふざけていて、いくら言ってもまじめにできません。まわりからは、「Dくんと一緒にはやりたくない」という声があがり、それを聞くと本人はかっとしてつかみかかっていくので、トラブルが絶えません。
●Fくんの場合〜自閉スペクトラム症傾向が強い
年長組のFくんは、なかなか人と視線を合わせることができません。大好きなのはレールをつないで電車ごっこをすること。それさえしていれば、機嫌よく遊んでいます。ただし、ほかの友達がレールに触ろうものなら、怒り出して大騒ぎになります。
■目次■
【本書の内容構成】
1.幼児の発達障害の基礎知識
発達障害を正しく知ろう
障害? 性格? 心の発達を見極めたい
2.基礎調査票・評価シートと実例集
基礎調査票と評価シートの使い方
8つの実例に見る状況と経過
3.対応方法の具体例
コミュニケーションがうまくとれるように/友達とのトラブルを避ける/集団のルールを身につけさせる/基本的な生活習慣をつける/パニックを起こさせないために